精神鑑定とは,ひとつの具体的な事例をめぐり,法と精神医学という専門領域が接する機会である。そこでは,責任能力の有無が問題となり,法律家にとっても精神科医にとっても当惑や葛藤を招く場となる。刑法の規定によれば,第39条「心神喪失者の行為は,罰しない。心神耗弱者の行為は,その刑を減軽する」とあるが,その判断は容易にできるものではない。 本書は,2005年に施行された「医療観察法」,また2009年から始まる裁判員制度と連動して,多くの人々の関心を集める犯罪者の責任能力問題について,〈責任能力の根本問題〉〈責任能力と精神鑑定〉〈裁判員制度・医療観察法〉〈人権・保安・処遇〉〈訴訟能力・死刑適応能力〉〈海外の動向〉という6つのトピックについて,法と精神医学双方の論客が,国内外の判例を引きながら,歴史と現状を分析し,最新の論考を展開する。 現代司法精神医学の一大論争点である“責任能力”論研究の到達点を示すものである。
責任能力の現在 法と精神医学の交錯 EPUB, PDF, TXT, AZW3, MOBI, FB2, DjVu, Kindle电子书免费下载。