本書は生物学における様々な数理モデルの紹介とその解析手法を教授することを目的としている。必要な数学知識は微積分や線形代数,微分方程式の初歩的なものであるので,大学で理系の基礎的な数学を学んだ学生で,生物学における様々な興味深い現象を,数学を用いて理解することに興味をもつ日本の学生にとっては,役に立つ教科書である。本書の特徴は生物現象の時空間ダイナミクスを理解するために必要な力学系 (A) 離散時間モデル:差分方程式系 (B) 連続時間モデル:常微分方程式系 (C) 空間や年齢構造を含んだモデル:偏微分方程式系の基礎理論をコンパクトにまとめていることである。特に差分·常微分·偏微分方程式系の解析手法が1冊にまとめられている点,多くの例題が取り上げられている点,また練習問題が多くあげられている点が入門書として優れていている。 また取り上げられている生物現象は個体群ダイナミクスや感染症モデル,神経系のモデルなど範囲が広い。MATLABやMapleプログラムが与えられているので,本書で取り上げられている数理モデルを簡単に数値シミュレーションすることが可能である。解説された数理モデルの定性的な性質を数値シミュレーションで視覚的に確認することができる。 したがって,時間·空間発展する生物現象を調べるために必要な数学的手法と数学モデリングを学ぶための格好の入門書である。[原書名:An Introduction to Mathematical Biology, Pearson Education/Prentice Hall]
生物数学入門 差分方程式·微分方程式の基礎からのアプローチ EPUB, PDF, TXT, AZW3, MOBI, FB2, DjVu, Kindle电子书免费下载。