「電撃的な出会いをした。古びた店の出窓に置かれた一枚の染付大皿である」 ――知る人ぞ知る蒐集家・瀬川竹生氏は、染付「図変り」伊万里大皿の 魅力に取りつかれるきっかけを文中のエッセイでこう語る……。 今では200枚を超える大皿が氏のもとに集まった。 その中から珠玉139点を本邦初公開。 愛好家さえも目にすることがなかったコレクションが一堂に会するかつてない 一冊になっている。 径40㎝から径60㎝を超える器面いっぱいに描かれた陶画は躍動感に溢れ、 「粋」と「妙」に満ちた奇想の意匠は観る者をひきつけてやまない。 【目次】 第1章:染付の美 大画面の陶画 執念の技 さまざまな形、変化する絵模様 第2章:広がる模様 手仕事の極―唐草模様 エネルギーの発散 写実VS.幾何学―奇想の意匠 第3章:風物・風俗 和様の趣 めでたきかな―吉祥 名所と風景 唐物、南蛮―異国への憧れ 第4章:いのちの輝き 躍動する聖獣 ユニークな動物たち 大皿に舞う 花卉の華やぎ 【著者について】 1961年茨城県生まれ。84年学習院大学文学部哲学科卒業。87年同大学大学院 人文科学専攻修士課程を修了。(財)出光美術館学芸員を経て2008年より現職に。 主な著書は『板谷波山の生涯』『やきものの見方』、共著に『古唐津 やきものルネッサンス』 『古伊万里 磁器のパラダイス』など。 【図変り大皿コレクション】 知る人ぞ知る染付「図変り」大皿の蒐集家・瀬川竹生氏の秘蔵コレクション。構図の面白さ、 染付の美しさ、大画面の迫力そして江戸時代の職人たちの精緻な仕事ぶり……。 1985年、新潟で電撃的に出会ったのを始まりとして、その魅力にとりつかれて蒐めた大皿は 今では200枚を超えるに至っている。本書では、瀬川氏が慈しんでやまない大皿の数々より、 選りすぐりの139点を紹介している。
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