1610年3月、ヴェネツィアで出版されたわずか60頁の小著『星界の報告』は衝撃をもって世に迎えられた。月面のクレーター、木星の衛星の発見など、当時発明されたばかりの望遠鏡による観察の報告は、古代以来支配的だった地球を中心とするアリストテレス=プトレマイオスの宇宙像を疑わせるに足るものだったからである。この書により一躍ヨーロッパで最も有名な天文学者となった著者ガリレオは、コペルニクス説こそが真であると確信し、その科学的証明に生涯を賭けることになった。だが、ガリレオの活動はやがて神学者たちの激しい反発と批判を呼び起こし、ついにはローマ異端審問所による断罪判決を招くことになった。これは、敬虔な信徒であった科学者個人の悲劇としてのみならず、カトリック教会の蒙昧主義を象徴する事件として今日まで語り継がれてきた。本書は、厖大な原史料と近年のガリレオ研究の広範な渉猟にもとづいて、1616年のコペルニクス説禁止令と1633年のガリレオの異端誓絶から、1992年の教皇ヨハネス·パウルス2世によるいわゆる「ガリレオの名誉回復」までの経緯を詳細にたどり、歴史上最も有名な裁判の真相を解明するとともに、科学と宗教の関係に深い洞察を示す。
ガリレオ――コペルニクス説のために、教会のために EPUB, PDF, TXT, AZW3, MOBI, FB2, DjVu, Kindle电子书免费下载。