「生命の不思議に学び」、未来の情報通信システムを設計および構築することは、現代に至るまでの科学技術の発達の歴史からみると、「新しいパラダイムの創造」であると考えられる。「知性」の本源であるヒトや動物の脳の示す優れた構造や機能が、40億年という永い生命進化を経てはじめて獲得されてきた事実に思いを馳せると、人智の遠くおよばない精妙かつ深遠な生命の構造と機能だけでなく、生命進化のメカニズムそれ自体を虚心坦懐に学ぶことにより、我々に実りある多くのアイデアをもたらす可能性があることに気づく。 本書では、「生命の不思議に学ぶ」情報通信技術の研究動向と分子通信技術の研究動向、それらの将来動向などについて解説する。主として、情報通信研究機構(NICT)神戸研究所未来ICT研究センター(KARC)で実施されてきた研究内容(第1章「生命から情報通信(ICT)を捉えなおす」「第3章 人工化学と分子ネットワーク」「第4章 生物系におけるシグナル伝達とその計算·通信システムへの潜在的な応用」「第5章 より深い理解のために」と、共同研究先であるカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)での研究内容:「第2章 分子通信技術の研究動向バイオICTとしての分子通信」)を中心に、国内外で行われている関連研究についてもレヴューしながら概要を紹介する。
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