まえがきより"歯ぎしり"はよくご存知だと思いますが、"かみしめ"って知ってますか?"歯ぎしり"や"かみしめ"で歯を失うことがあるって知ってますか?"歯ぎしり"は寝ている間に「ギリギリ」を歯をこすり合わせるものです。"かみしめ"は寝ているとき、起きているときにかかわらず、上下の歯をあわせてくいしばっているものです。これらはいずれも、自分では意識せずに行っている、ひとつの癖のようなもので、重いものを持ち上げたり、スポーツをするときにくいしばるのとは違います。歯を失う原因の多くは、歯周病やむし歯です。一方で歯ぎしりやくいしばりが原因で、歯が割れたり、歯がぐらぐらしたりして、抜歯になることもあり、それは歯周病やむし歯に次いで多いのです。さらに歯ぎしりによって歯周病が急速に進行することもあります。でもいくら歯磨きをしても、食事に気をつけても、歯ぎしりやくいしばりは予防できないから困ったものです。昔から「歯をくいしばる」とか「歯ぎしりをする」という言葉は、頑張っていくとか、我慢をするとかいらいらするというような意味で日常的に日本語の慣用句として使われてきました。歯には食べる、発音するという役割のほかにも、精神的ストレスのはけ口としての働きがあります。しかし、過度の歯ぎしりやくいしばりは口の中の組織に多大な影響を及ぼし、歯を失う原因にもなりかねませんし、そのことはまだまだあまり知られていません。口の中だけではなく、頭痛や肩こり、顎関節症にも関わっています。私たち歯科医師は患者さんの歯の健康を取り戻すべく、さまざまな方法を駆使して治療を施します。定期的な検診とクリーニングはむし歯や歯周病を予防するのにとても大切です。しかし、異常な力はすべてを破壊してしまいかねないのです。この本では、"歯ぎしり"や"かみしめ"について、私たちが研究している内容を含めて、写真やイラストを入れて、わかりやすく解説してあります。ただ「ギリギリ」音がなり、周囲に迷惑になる...というだけではないということを認識してもらいたいと思っています。
ブラキシズム:歯ぎしり·咬みしめは危険!! EPUB, PDF, TXT, AZW3, MOBI, FB2, DjVu, Kindle电子书免费下载。