十八代勘三郎が劇作を復活、目くるめく趣向で魅了した『怪談乳房榎』――咄でしか語れない、読み物でしか表せない慄然たる物語世界の全貌。凄惨非道な連続殺人を発端に凌ぎを削る悪の顛末を語った『緑林門松竹』、苛
目の前で登場人物が語り動くかのようなリアルな文体が明治中期の読者に衝撃をもたらした「怪談牡丹燈籠」、立身出世の時代精神を体現して喝采を浴びた「塩原多助一代記」、江島屋騒動の名で知られる「鏡ケ池操松影」
筋金入りの義侠心を抱えて生きる江戸っ子文治の葛藤と闘いを描いた『業平文治漂流奇談』、「やまと新聞」創刊号を飾った翻案サスペンスの傑作『松の操美人の生埋』、身分差別の不条理を問う悲惨と希望の物語『蝦夷錦